2017.11.15 大人のためのキセツクラシの会「冬至・正月」

photo by risa kazama

 暦の上では、立冬を過ぎ冬の幕開け、皆さんいかがお過ごしですか?
いよいよ深みを増す様々な木の葉の彩りが、この季節独特のあの香ばしいような森の香りが、私は大好き◎この一ヶ月は毎日毎日、木々の葉の移ろいを今日はどうなったかなと楽しみに見ることになりそうです。
 
 さて今日開かれた七五三の会では、七五三のしつらいをしていただく中で、榊に麻の紐でそれぞれのみなさんの結びの形を表現していただきました。
その皆さんそれぞれにしてくださった、結びの形があまりに美しくて感動してしまったので、今回は少しご紹介します。
 
 一人の方は、神社の鈴からインスピレーションを受けて、榊にゆったりとかけられた鈴の緒が三つ編みにされまっすぐにお子さんの将来の喜びの時に繋がるような形で表現されていました。もうひと方は、正に喜びである子どもの成長の節目を何度でも家族皆で感謝し喜び合いたいと蝶々結びに。もうひと方、蝶々結びをされた方がいらっしゃったのですが、その方は、子どもたちそして親である私たちを見守ってくださっているご先祖様や自然とのご縁がなんどもなんども結ばれますようにという思いで。同じ結び方でも思いが違えば違った形になります。そしてもうひと方は、最後の結びのところはお子さんに任せたい、だから、いつでもお子さんが結べるように、結びやすいように用意しておいてあげたい。と榊を包み込むように柔らかくねじり合わせてとめられていらっしゃいました。
 
 私は皆さんに、暦の話や行事の話、めくるめく自然からのメッセージ、行事にちなんだお道具やそこでしつらえる果物やお野菜に込める思いや言葉のヒントをお話しするのですが、そこから参加される皆さんが思い思いに胸の内の思いを、のびのびと形にされる。
皆さんの思いが愛情深く美しいから、その表れである形もそれぞれ本当に美しい。なんて豊かなものを見せていただいているのだろう。と感動し、人って素敵な生きものだなと心からあたたかく幸せな気持ちにさせていただきました。

 
 そして、この結びに込められた思いは、きっとお子さんに、そしてご家族皆に通じるのだろうな。そんなしつらいがそっとお部屋の一角にある暮らしって素敵だな。こんな思いの交流が人と人との間に行われていたら、人を嫌いになんてなれない。みんな違うけどみんな一生懸命に生きている。その愛おしさ。そこには平和しか生まれ得ない。この輪をもっともっとたくさんの人に広げていこう!と心から思ったひと時でした。
 
 さて次回は、冬至・正月の会です。次は皆さんのどんな心の形が見せていただけるかな。私も皆さんがそれぞれのあたたかな思いをのびのび表現できるように、材料選びとお話の準備を今からしたいと思っています。
 
 大人のためのキセツクラシの会は、暦や季節毎の行事、それに合わせたしつらいなどに込められたメッセージを一つ一つ丁寧に紐解きながら、今あるがままの季節をじっくり感じ、心身のリズムが自然の流れに寄り添うお手伝いをしています。思いを物に託して、言葉をかわすことなく心の交流がされることの楽しさをご一緒に感じていただけたら嬉しいです。

2017.11.3 虫博士と秋の里山を歩こう◎

photo by yuji kazama

 11月3日、横浜市鶴見区にある古民家の建つ公園、みその公園「横溝屋敷」のお庭とその裏に広がる里山を舞台に、虫博士こと矢崎英盛さんをお迎えして「虫博士と秋の里山を歩こう」を開催しました。


 photo by yuji kazama

 色々な形、様々に色づきだした葉っぱや実や花。。。そんな秋の宝物を使っての視覚や嗅覚を広げるゲーム、静かに目を閉じて行う聴覚を広げるゲーム、様々な質感の木々を触って感じて触覚を広げるゲームなどを通してあちこちの感覚をゆっくりとほぐした後は、早速里山へ!今回は、より主体的に自然と虫と向き合う機会をということで、小さなお山の頂きに広がる小さな草っ原で、虫取り網を持って思いっきり虫取りをしました!

 photo by yuji kazama

 虫取りをしているうちに、子どもたちは自然と、どんな虫がどういうところに、どのように生息しているか。どんな風に逃げるか。どんな工夫をすると捕まえやすいか。。。そんなことを感覚的に掴み取って行きます。あっという間に「とろうと思わなくても網を振ったら勝手に虫が入ってくる!」なんていう玄人発言も飛び出す!ほど、子どもたちはメキメキ上達しました。初めて虫取り網で蝶々を捕まえて、満足そうな表情でその蝶々を持つ子どもたちは、全身から「できた!」という自信で溢れていましたね。

 photo by yuji kazama

 虫博士は言います。里山は、人と共に育まれる自然。ここで出会った虫たちは、私たちの暮らしているお家の周りにも普段気づかないだけできっと息づいている。今日はそんな身近な自然と触れ合う練習です。と。

 photo by yuji kazama

  こうした練習が、身近な自然、身近な命への眼差しが親しみ深くあたたかなものになるきっかけとなって、子どもたちにとってのこの世界の見方が、もっともっと豊かで素敵で面白くて、そして生きていてよかったと思える場になったら。と祈らずにはいられません。
 今回も、虫博士!ありがとうございました!虫博士こと矢崎英盛(やざき・ひでもり)さんは、「町田歳時記」(http://wildtokyo-jp.tumblr.com)で様々な虫たちをはじめ里山の美しい写真をたくさん公開していらっしゃいます。是非、ご覧くださいね!

 photo by yuji kazama

 今回が横溝屋敷を舞台に企画した今年最後の会でしたが、今回もたくさんの子どもたちのキラキラした眼差しと共にあれて、そして子どもたちと一緒になってびっくりしたり必死になったりして楽しまれている大人の方と過ごすことができて、私も本当に幸せでした◎
今日は立冬。これから始まる寒い冬は暖かくしてゆっくり休んで、また来年、もっともっと子どもたちが自然と仲良くなれるような面白い会を企画していきたいと思いますので、また来年も、ご期待下さい!

 photo by yuji kazama

 ご参加くださいました皆さん、ありがとうございました!またゆったりおったりの森でお会いしましょう! 
 
11月3日 旧暦長月15日 ホトトギスが木漏れ日に集まってこそこそ話をしていましたよ。